Amazonプライムday① KZ ZST(中華イヤホン) 開封から音質まで
先日のamazonプライムデイで色々買い物をしたので、その中から幾つかを紹介していきたいと思います。
まずは、
中華イヤホン KZ ZST
はい。やらかしました。LZ-A4で十二分に満足してるのに新たな、それもプライムデイとは言え税込み2,080円という低価格帯へ手を出す無駄遣い。だって評判が良いと気になるんだもん(持病)
開封の儀
パッケージサイズ比較のためにPS3のゲームを置いてみたけど、よく考えたらイヤホンのサイズなんて何かと比較しなくてもわかる件。あと未だにエクシリアクリアしてない。
パッケージは無難にまとまっていて、十分な出来です。多少乱暴に運ばれたとしても十分耐えるでしょう。
内容物はちゃんと小分けして包装され、好印象。
簡素なユーザーガイドに、本体、2pinケーブル(マイク付き)、イヤーチップS+M+Lの3サイズ。(Mサイズは本体に装着済み)
イヤーチップには放射状の溝が掘られていて、細かいこだわりも感じる。どういう意味があるのかは知らないけれど。
プラグは3極で、イヤホン側はMMCXではなくて2pin。2pinだけど長さが一般的な物と少し違うから注意。
筐体にはZST HIFI-Armatureの文字。本体は青と紫の半透明が組み合わされていて、ZSTのアーティスティックな文字がデカデカと書いてあります。造りはかなり好印象。
2pinケーブルを繋いで、いざ音出しへ。
ちなみにこのKZ ZSTはshure掛け専用です。ケーブルもshure掛けがしやすいように耳周りは柔らかい針金みたいになっています。
音質レビュー
高音域 4 ★★★★
適度な煌びやかさがあり、あまり無理をせずに上手くまとまっている印象。
中音域 4 ★★★★☆
明らかに妙な強調感があるのですが、そのクセも含めて良い出来です。鳴らし分けがもう一歩。
ボーカル表現 3.5 ★★★☆
定位はしっかりしているものの、女性ボーカルが僅かに刺さり気味。男性女性問わず表現力もあるのだけれど、中音域の妙な強調に押し込まれる瞬間があるのが少し残念。
低音域 4.5 ★★★★☆
低音過多だけれど、ズシンと響くと言うよりはドンドコと賑やか。ロック・メタル系には凄く合う。スタジオ録音のジャズも○。
※価格帯とか抜きに書いています。価格込みの場合全部+1していいぐらいです。
ライオン / May'n 中島愛
まず出だしは煌びやか。その後ベースが入ってくると急激に低音域が強調しはじめます。
二人のボーカルの息づかいまでしっかり伝わってくるボーカル帯域の再生能力は中々。同価格帯の定番UEsでは音像が真ん中に定まらないのが最大の不満点だったのだけれど、ZSTはしっかりど真ん中に定位してくれます。
価格が10倍のLZ-A4に比べると分離や明瞭感で劣るけれど、単品で聴いている分には十分であり決して物足りないなんて事はない。
ストリングスもハッキリ鳴っているけれど、音場がそれほど広くないからコンサートホールと言うよりは、こぢんまりとしたライブハウスで賑やかになっているような印象。
この曲ではドラムがやや後ろに、ベースが大分前に出ています。
海色 / AKINO from bless4
ギターとドラムが前に出てきて、ライオンと同じく賑やかな印象。
LZ-A4に比べるとバックのストリングは少し分離が物足りないけれど、同価格帯の定番UEsに比べると決して劣っていない。
サ行、タ行は少し耳に刺さり、ボーカルがややヒステリックな印象を受けてしまう。
また、LZ-A4に比べてしまうと、どうしても静寂と喧噪の使い分けが苦手。スッと引けないからドンと出たときに強弱が感じられない。それは多分、この値段に求めることではないですが。
Born to be free / X JAPAN
ある意味当然だけれど、ドラムが一番前に出てきます。2:03から始まるドラムは解像度が高く、同価格帯の定番UEsにしっかり差を付けて勝っていると思えます。ボーカルもしっかりど真ん中で定位して、賑やかに鳴る感じがライブ感に繋がってとても良い。ピアノも多少不自然さは残るものの、余韻を含めて綺麗に鳴っている。
唯一、ベースだけが後ろに行ってしまった感が少し残念。
Welcome to the Black Parade / マイ・ケミカル・ロマンス
イントロのピアノがとても綺麗で、そこから繋がる「パレード感」が巧に表現されている。これはもう価格を考えたら全く信じられないレベル。
テンポアップしてからも勢いよく疾走して、各楽器の描き分けもしっかりできていて特に不満らしい不満が見当たらない。むしろ手放しで褒められるぐらいに素晴らしい。
総評
価格を抜きにしても良いイヤホンだと感じました。素直な高音域、一つクセのある中音域、主張する低音域、中音域で妙な強調感があるため全体の印象としては人工感がありますが、それにしても面白い組み合わせです。
アニソンでは女性歌手のサ行・タ行が少し気になるかもしれません。また、音場が広くはないために曲によってはごちゃ混ぜ感が生まれてしまいます。アニソンの中でも声優曲よりはLiSAとかロックパンク寄りの方が得意だと思います。
海外のロック・メタルはその辺り殆ど問題になりませんでした。これに関してはLZ-A4とも十分比較できるぐらいに良くて、驚きです。
邦楽ロックは賑やかを通り越してただ煩くなってしまう場合もあるので、曲を選ぶイヤホンではあると思います。
ライブハウスっぽさがスタジオ録音のJAZZにマッチすることが多くて、やはりZSTは面白いイヤホンだなと。
これが3000円未満というのはもう中華イヤホンならではの価格破壊でしょう。というか反則です。五年前にこれを渡されて「2万円アルヨ」と言われたら悩んだ末に支払ったかもしれません。それぐらいレベルが高いです。正直SE535より好き。
外観は何も知らない人が遠目に見たら高級品と勘違いするかもしれません。知ってる人が近くで見たら「ああ、中華の有名なあれね」で終わってしまいますが。
イヤホンの入門にKZ ZSTを買って、あとはアンプにお金を回すと幸せになれそうに感じます。耐久性がまだわかりませんが、まあ値段が値段なので短命だとしても諦めは付きます。