歯が痛いズキズキ痛い(2) 歯医者パニック+嘔吐反射で帰される。
タイトルにオチが書いてありますね。はい。頑張って歯医者まで行きましたが、治療不可で帰されました。
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子供と一緒に行けば気合いで乗り切れるか?
私は虫歯が進行して歯が痛い状態。息子も、いくつか軽度の虫歯があって、一度歯医者に行かないといけない状態。子供の前で歯医者が怖いとか言ってられないでしょう! ということで、二人揃って受診する事になりました。ちなみに妻も娘(1歳)も同伴です。息子と二人で行って何か(パニックとか)あったら大事になっちゃうから、これはありがたい同伴です。
いざ歯科医院へ入り、あの嫌な臭いが充満する中、まずは問診票を書く事に。恐らく治療の流れとしては、私(親)が先に行って、後から息子が来るのかな。……と思いきや、私が自分の症状や過去の病歴、現在飲んでいる薬とかを伝えている最中、先に診察室へ呼ばれる長男。あれ? 大丈夫? いきなり呼ばれて大丈夫?
長男は無事に治療を終えました。
私と同じく発達障害の長男ですが、何のことはなく無事に治療を終えました。ちょっと痛かったけど手を上げなかったという立派さ。
これはまずい。マジで治療できなかった時の立場がない。
レントゲンという壁。
私の痛む歯は奥歯で、簡単に診てもらったところ、かなり進行していると思われる事から、とりあえずレントゲンの撮影となりました。
レントゲン撮影は、一番奥の歯だと、結構奥までシートを挿入しないといけなくて、嘔吐反射の私は思いっきりえづくんです……。これがまず最初の難関です。(まだ治療には入っていない)
しかしここは気合いで乗り切り、レントゲンすら写せなくて帰宅という事態は回避! 嘔吐反射を伝えてあったので歯科助手さんが気を遣ってくれたのか、なんかシートの挿入が甘かったみたいですっごいギリギリで写っていたけれど、とりあえず撮れた事に違いはない!
第一関門クリアです。
気付き始めた『異変』
さて、この時点で実は私、少し違和感を覚えていました。
何か口の中がからっからで、物凄く水が飲みたかったんです。オエッとなった事以上に、その後の喉の渇きが辛くて、何もされてないのに咳き込んで吐きそうになる始末。
歯医者なので水は幾らでも飲めるわけですが、4杯飲んでも5杯飲んでも水が通過した傍から喉が干からびます。なんでだ!?
原因はストラテラ(ADHDの症状を緩和させてくれる薬)
ストラテラはかなり副作用の多い薬です。そのデメリットよりもメリットの方が遙かに勝っているため服用を止める気はなくて、副作用に関しては我慢しているわけですが(初期ほど酷くはない)、その副作用の中に吐き気と『喉の渇き』があります。
なので、ストラテラ服用以前に比べると二倍ぐらいの水を飲んでいます。まあ水分摂取は健康に良いって言うし、この副作用はむしろ健康に良いぐらい! と鬱患者のくせにやたら前向きな捉え方をしていましたが、今回ばかりはそういう問題じゃない。
バキュームがトドメを刺した。
歯医者に行くと必ずありますよね。バキューム。私はあれが一番苦手です。なぜなら喉が渇いて吐き気を催すから。そこにきて上記のストラテラで何もされていなくても喉の渇きと吐き気が厳しいレベルです。これはやばい。やばいやばい。
パニックを起こしかける。
やばいと思いすぎて勝手に追い詰められた結果、過呼吸になりかけてしまいました。この時点でまだ先生来ていません。歯科助手さんが「これは大丈夫ですかー?」と口の中で作動させたバキューム一発でアウトです。
何とか落ち着こうと頑張って、何度か息を止めて(過呼吸対処法)、パニックになる前でギリギリ落ち着いて、ついに先生登場。もうここまで来てるんだから後はない。できる限り頑張るしかない。と思っていたのですが……。
最初に言われたのは、予想外の言葉でした。
「どうすればいいですか? 救急車呼べばいいですか?」
私の状態を見て先生が言ったのは、これでした。
何とか落ち着かせて治療を進めていく方向になるのかなと思いきや、まさかの救急車。いや、そこまでではない。何とか耐えた。耐えたから。と思いながらも、頭の中は混乱して「え、いや……」ぐらいしか出てきません。想定外過ぎました。
だってここ、『丁寧にカウンセリングを行って、できる限り不安を取り除きます』って謳ってる歯医者ですから。私みたいな患者さんを受け入れます的な事も書いてますから。そりゃ私の状態は酷いかもしれないけれど、でも、さすがに私だって行き当たりばったりで適当な歯医者になんか行きませんよ?
「私だってパニックの患者さんを治療するのは怖いんですよ」
じゃあ受け入れている風な事書かないでください。と心で思いながらも、さすがに口には出せず。
しかしそのまま無言で時間は過ぎて、先生からは会話を続行する気配もないので、仕方なくこちらから、「これ、治療できなかったらどうなるんでしょうか」と質問。「いやー、治療しなかったら悪くなるだけですよ。だから頑張って治療していきましょう」的な切り返しを期待したわけです。しかし!
「このまま根まで腐らせるのも手です」
手じゃないよ。それでいいならこんな怖いところにわざわざこないよ。
この時点で、いくらアスペルガーの私でも、空気を察しました。
あ、これ治療拒否られてるな、と。物凄く前向きに受け取るとしても、根まで腐らせるのが嫌なら根性出せやこらぁ!的な感じだな、と。
私が察する事ができるような空気ですから、かなり明確な意思表示だったと思います……。
でもできるところまでチャレンジ。
とりあえず私からお願いして、麻酔までは頑張ってみますと告げました。麻酔が効けば嘔吐反射が少しマシになる経験もありますし、第一、麻酔はバキューム使いませんからね。ちょっとチクッとするのを我慢すれば良いだけです。
それにここの歯医者は痛くない機械式の麻酔を使っていて、麻酔の前にはチクッを緩和するために表面麻酔を塗るとの事。そこまで調べてから行きましたよ私は!
私の視界隅に、ああこれが機械式麻酔か、という風貌の器具が見えます。あれ? 表面麻酔してないよ? ま、まあでも仕方がない。チクッを我慢すればいいだけ。器具はもう口の中に入りかけている。口は十分に開けている。チクッを我慢すれば――。
「あー、やっぱ手動に変えようか」
ってちょっとまてぇぇぇっ!!!!
いきなりの変更はアスペルガーにとって物凄い焦るわけです。軽いパニックな訳です。発作の方じゃなくて、脳の混乱的な意味でパニックな訳です。
カウンセリング → 受けてない
できる限り不安を取り除きます → むしろ増えてます
機械式麻酔で痛くない → 手動に切り替わりました
表面麻酔で更に → 名前も出てきてません
ここで私が混乱してしまい、治療は中断になりました。
「全身麻酔でやるしかないですね」と言われ、結局辿り着く先はそこなのか……? と。
息子は立派に、私はフルボッコに。
麻酔すら打てず、とぼとぼと診察台を後にする私。待合室には怖がっていた歯医者治療を終えてルンルンの息子。あと嫁と娘。もう泣きたい……。
会計は当然一緒に済ませるわけですが、受付のおばちゃんが息子に「よく頑張ったねー」と笑顔で言って、私の顔は絶対見ずに話題も出さず、全部なかった事にしようとしてくれている。それは優しさかもしれないけど結構辛い。
後で息子の治療や私の様子を(一部)見ていた妻の話によると、息子の治療に際しても特に説明はなく治療に入ったそうです。よく大丈夫だったなぁ……。
で、私の様子はというと、そんなに頑張って口開けなくても大丈夫じゃない? と。
だって私にできるのは、できるだけ大きく口を開ける事だけだから orz
さて全身麻酔という話も出てきてしまいましたが、本当に奥歯一本抜くのに全身麻酔までやるのか!? というのが本音。じっくり治療に取り組んでくれる先生を探したいところですが、何か今回の件で「うちは大丈夫ですよ!」と謳っているところが軒並み信用できなくなってしまいました。全部が全部そうというわけじゃないとは思うんですけど、これ以上打ちのめされたら歯というか鬱的に命が危ういレベル。うっかり……は洒落になりません。遠のけストレス。