mohumohux

病気や子育てについて書くつもりが、趣味の話が増えてしまった雑多ブログ。

小学二年 ADHD息子にインチュニブを飲ませることになりました。

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うちの息子は強烈な内弁慶です。

家ではADHD全開で常にアクセル踏みっぱなし。力尽くで止めないと話を聞いてくれない状態。

学校や所属するサッカーチームでは、ちょこちょこ動くだけで自分から積極的に動くことは殆どなく、発言もしない。極度に内気な人間。ADHDの影はほとんどありません。

どちらか片方の面しか知らない人がもう片方の面を見ると、驚いて声も出ないことがあるぐらい。親が見てもあまりの振れ幅の大きさに、同一人物とは思えないことがあります。

 

 

ただ私もそういうところがあったので気持ちは解るのと、ADHD(+アスペルガー)と言われても「薬を飲まなくても何とかなるところまでは、できるだけ飲ませたくない」というのが親の本音で。

特にコンサータは副作用が強烈な薬ですし、それよりはグッと副作用が抑えられているというストラテラでも、大人が飲んでも副作用は辛いです。私もADHDなので飲んでいますが、胃の不快感、食欲不振、吐き気、喉の渇きはちょっと他の向精神薬とは一線を画して強烈。

ADHD患者は身長が低くなる傾向があるそうです。それはADHD患者に偏食が多く見られることと、加えて薬の影響で食欲不振が慢性的に続くためではないかという説もあります。

うちの息子も身長は低いほうです。今は大分マシになっていますが、一時期はあと数ミリ低ければ低身長症の疑いで病院へ行かなければならなかったほど。実際、偏食は凄いです。

そんな感じなので食欲不振の出るコンサータストラテラは飲ませたくなかったのですが、今年度から認可された新しい薬が食欲不振などの副作用が殆ど無いらしく、夏頃から密かに検討を始めました。

 

ADHD治療の新薬『インチュニブ』

インチュニブは元々血圧を下げるために開発された薬だそうですが、血圧を下げる効果は低いもののADHDにはかなり効果があったということで、最終的にはADHD治療薬として開発され認可されました。

コンサータは強烈な作用と副作用を持ち緩やかな覚醒剤とも言える(決して一般的に言われる覚醒剤ではありません。歴とした治療薬です。)薬ですし、ストラテラは元々向精神薬として開発されたため精神には何らかの影響があってもおかしくありません。それは好ましいことかもしれませんし、そうではないかもしれません。飲んでみないとわからないですね。

ただストラテラは効果が出るのに一ヶ月から二ヶ月かかり、その間効果が出ないのに副作用と闘い続けなくてはならないので、中々敷居の高い薬ではあると思います。

一方で新薬のインチュニブは、元々が血圧を下げる目的で開発された薬なので、コンサータほど強烈な作用や副作用はなく、精神への影響もストラテラよりずっと少ないでしょう。もちろんADHDの治療薬なのでそういう意味での精神作用はありますが。

効果が現れるまでの時間は約十日間。コンサータが飲んですぐ効くのでそこまでのスピード感はありませんが、しかしストラテラの一、二ヶ月に比べたらかなり発現は早いです。服用は一日一回でOK。錠剤も小さく子供でも飲みやすい大きさです。

主な副作用は『眠気』で、学校の授業中でも寝てしまうぐらいに眠気が強い場合には、服用を中止する場合もあるそうです。

また、元が血圧を下げる目的で作られた薬ですので、目眩や立ちくらみが頻繁に出るようであれば危ないので中止になるかもしれません。頭痛が強く出る場合も中止になるでしょう。(しかしどれもコンサータストラテラほど強い副作用ではないそうです)

 

「俺、変やん?」

二年生になってからでしょうか。時々息子が「俺、変やん?」と言うようになりました。学校で誰かから指摘されたのかもしれません。二年生にもなれば、キツく言う子は割といます。

実際、一番最初に書いたとおり、うちの息子は変です。はっきり言えばADHDアスペルガー併発の発達障害で普通ではありません。

ただそれが変わり者の範疇で収まり、人間関係も最低限は築けて、本人がそれを苦もなく受け入れられるなら、変でも人間は生きていけます。

しかし息子は自分を責めるように言うんです。更にエスカレートすると、自分で自分の頭を殴ったり、壁に頭をゴンゴンぶつけたり……。私も幼い頃やっていましたが、立派な自傷行為です。

多分、自分でもわからないんですよ。『何故周りの子と同じように自分はできないのか』が。

それがイライラとなって、暴走し、自傷に走る。解決せずにイライラが続く。……完全な悪循環です。

それに対して親として色々やってみました。身体を動かすために本人が大好きなサッカーをさせたり、とにかく褒めて自信を付けさせようとしたり……。でも結局、何をやってもうまくいかなくて、サッカークラブでは試合中もレフェリーのように動いてボールに触らない日々。よく見るとボール以外のところをキョロキョロ見渡してる。最初は敵味方の位置を把握しようとしているのかと思いましたが、どうも違うようなのでビデオで撮影してじっくり観察すると、その視線は隣のグラウンドとかコーチとかネット越しの通行人とか、試合と全く関係ないところへも大量に飛んでいました。

そんな状態でサッカーをするのは危ないので、物凄く叱ってみました。やりたいことをやらせて、褒めて、でも効果がなかったら、結局行き着くところには『叱る』しか残っていなかったんです。ボール見てない子がいると事故に繋がりますし。チームスポーツをやる以上、これは大きな問題です。

家ではADHD全開で聞く耳を持たず、更にアスペルガーであるため叱っても何故叱られているのか認識することができないようでした。それでも「これでダメだったら薬に頼るしかない」と叱り続けること4時間。いくら何でも叱りすぎだろうと思うかもしれませんが、そこまでやってようやく息子は自分が本気で怒られているということがわかったようで、泣きました。(でも何故怒られているかは半分ぐらいしか解ってもらえませんでした…)

それからは少し家でのADHD症状がマシになりましたが、正直、私はそこまで息子を追い詰めたくありません。いくら何でも叱りすぎです。本人も自分の症状について悩み始めていて自傷行為まで進んでいるのに、その上追い詰めてしまっては……。確かに幾らか行動は改善されましたし、それで息子自身が楽になった面も沢山あることに気付きました。厳しく接することは大事だと思います。

私自身、もし発達障害というものが解明されていなくて薬も存在しない時代で、ただじぶんの息子がそこまでしなければ理解できない子だという認識であれば、社会に適応させるために親として徹底的に叱り飛ばしていたかもしれません。

しかし今は違います。発達障害という障害の診断があり、ADHDに関しては薬も存在します。

それに何時間も叱るような異常な状態をずっと続けるのは、お互いにあまりにも困難で辛く危険な道だと思います。私は普段それほど怒らない人間なので、息子を激しく叱った日は顎と顔面が痛くて、そこまで叱らないとこの子には伝わらないのかという絶望感の中、眠剤を飲んでいるのに中々眠れませんでした。

そこで妻と相談して『担当医が勧めれば(飲んだ方が良いと言うのであれば)、迷わず子供に薬を飲ませる』という決断をしました。

 

一回目の服薬が終わった。

昨日の晩に一回目の服薬が終わり、朝はいつもよりボーッとしていた子供が一体どういう状態で家に帰ってくるのかが心配な状況です。

今日サッカーの練習日だけど、大丈夫かなぁ……とか。(いつでも帰れるように付き添います)

子供のADHD症状が少しでも収まって、本人が今より楽に生活できるようになってくれればいいのですが……。これからは薬と教育(療育)を二つの車輪で回していかないといけないということになると思います。