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病気や子育てについて書くつもりが、趣味の話が増えてしまった雑多ブログ。

低学年ADHD【インチュニブ服用記】まとめ

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◆息子

ADHD+アスペルガー障害。小学二年生。家ではADHD全開の暴れっぷりだけど、外では心配されるぐらい大人しい子。サッカーが大好きでチームに入るも、遠慮しているのか全然積極的に動けない。

インチュニブ服用初日から効果があり、今のところ家でのADHD感はほとんど無くなっている。

 

 

 

インチュニブ服用開始から2週間が経過

色々と忙しくて8日目から一気に飛んでしまいました。すみません。

とりあえず14日(2週間)が経過して、インチュニブ服用前と後に起こった変化をまとめて書き起こしていきます。

 

代表的な副作用、眠気について

親として一番心配なことは副作用です。

私は副作用が物凄く心配でしたし、現に、副作用を考えてストラテラコンサータは避けています。

インチュニブの主な副作用は眠気、ということですが、これはもうズバリ当てはまります。別に朝に弱くなったとか夜にめちゃくちゃ早く寝るようになった、というわけではありませんが、時々眠そうにしています。

ただ、授業中に寝てしまうとか、眠くて集中できないとか、日中にふらつくとか、そういうことは無いようです。

 

多動性・衝動性について

ADHDの特徴であるこれらの要素ですが、かなりの改善効果がありました。息子の場合は「身を挺して止めなければ言うことを聞かない」ことが多々あったのですが、それはもうほとんどありません。

非常に単純な解釈をすると、薬を飲むことで普段よりほんの少し眠気があり、異常なハイテンションにはなりづらいのかもしれません。あくまで単純な解釈ですが。

 

注意欠陥について

ADHDのもう一つの特徴です。これに関しては、少なくとも今のところ、全く効果は見られません。

海外の治験を翻訳したネット情報になりますが、ADDのかたがインチュニブを飲んだところ「意欲がなくなり辛いだけだった」というような記載を見かけました。息子を見ていても多動性や衝動性には効果があるようですが、注意欠陥に関しては効果が見えてこないので、ADDのように多動・衝動性には問題がない場合、もしくはそれらの症状が薄い場合には、インチュニブの服用には注意を払った方がいいのかもしれません。

 

考えるようになった

服用前に比べると、何事に関しても、物事について時間をかけて理解を深めようという意識が上がっています。

 

自傷行為がなくなった

息子の場合、ですが。

異常なテンションになる自分を抑えきれなくなると当然、失敗が増えます。それは交友関係でも起こりえますし、家の中でも「やらかし」が増えると当然叱られます。そんな自分が嫌になったのか、壁に頭をぶつけたり、自分で自分の頭を殴ったりすることが時々ありました。服用後は落ち着いているためか、今のところ一度もそういう場面には出くわしていません。

子供なので何かしらやらかしはしますが、それについて叱られた後、(言い訳はするものの)何故叱られたのか、時間をかけて理解しようとしています。

 

偏食が減った

ADHDに限らず発達障害児は偏食が多いとされています。息子もかなりの偏食で、食べる前から「これ嫌い」と言い出す始末。一度食べてみて、と無理に奨めても、舌で舐めるかちょっとだけかじって「これ嫌い」……。

インチュニブ服用後は服用前に比べるとかなり話を聞き入れる姿勢ができているので、「とりあえず食べてから考える」ということができはじめています。食べてしまえば美味しいとなることがほとんどです。

 

物の扱いが少しだけ丁寧になった

相変わらず服は脱ぎっぱなしでランドセルは放りっぱなし、靴なんか並べるわけがない、という状況ですが、それでも以前ほど乱雑ではなくなり、帰宅時のドアの開閉音やランドセルを置く音が明らかに小さくなりました。筆記用具やおもちゃ類の扱いも、少しだけですが丁寧になっています。

あと、鉛筆の芯をやたら折るとか、筆圧が異常に強いとか、そういうこともほとんどなくなりました。

 

宿題を後回しにしなくなっている……気がする。

夕方になってまだ宿題ができていない、ということが減ったような気がします。物事の順番づけだとか、時間は平等であることとか、AをやったらBをやる時間が無くなり逆もまた然りであるとか、そういうごく普通のことを受け入れ始めてくれています。

 

妹の扱いが少しだけ丁寧になった

まあ服用初日にバックドロップ喰らわせてますけど。

 

 

妹に対して少しだけ優しくなりました。例えば寝ていたら物音を立てないようにする、とか、そういう些細な気遣いができるようになりはじめています。いきなり後ろから脅かしたりとか、そういうこともかなり減りました。

 

片付けなさい、と言われたらちゃんと片付ける。

以前は散らかし放題。それを片付けるように言うと途中から遊びだして余計に散らかる、もしくは片付ける場所には押し込むけど恐ろしく雑で片付けになってない、という感じでした。今は散らかした後にちゃんと片付けなさいと言えば、高確率で本当に片付けられています。今までが酷かったので、何度か目を疑ってしまいました。

 

お風呂でちゃんと身体を洗うようになった。

服用前は本当に酷かったです。泡タイプのボディソープを身体にちょんちょんと載せて、洗い流して終わり。何をどう洗ったのかと小一時間問い詰めたくなるような洗い方でしたが、服用後はしっかり洗うようになりました。何だったんだろう今までのことは…。

 

集中力が増した。

これはもう明らかに増しています。無言で宿題に取り組む時間が増えていますし、サッカーをしていてもボールやボールホルダーをしっかり見ています。料理を手伝わせても真剣に取り組みます。

 

積極性はあまり変わらない。

息子の場合、家や気の知れた友達とであればADHD全開ですが、外では基本黙って何もしません。担任の先生はADHDであることが信じられないと言います。

サッカーのチーム練習では、自由時間は足元にボールを置いて何もしない、ディフェンスも相手にぶつからないし、ドリブルは取ってくださいと言わんばかりに異常に遅い(私や友達とやる時には十分速いです)。

実は一度、体験入学で気の知れた友達が入ってきたことがあって、その日は完全に別人のプレーをしていました。一人、二人、ならガンガンドリブル突破するし、シュートも狙い、アシストを決め、一番上手い子(背も一番高い)が相手であってもかなり全力に近い感じで奪いに行けていました。これもインチュニブ効果か!? と思ったのですが、その次の練習で体験入学していた友達が来ないと、元に戻ってしまいました…。

この異常な内弁慶っぷり、外における積極性の極端な欠如は、ADHDと関係ないのかもしれません。あまりに家と外で性格が違うので、家で大人しくなればバランスを取って外で積極的になるのでは、とちょっと期待していたのですが、そういう問題ではないようです。

併発してるアスペルガーの要素か、もしくは単なる性格なのかもしれません。

ただ変わった部分もあって、学校で忘れ物をした時など、自分から先生に言い出せなくて困っていたのですが、最近は自分から言うようになったそうです。

これは積極性なのか、単純に落ち着いて周りや自分が見えるようになったからなのか、そこはわかりませんが、しかし良い傾向だと思います。

 

中途覚醒(夜、突然目が覚める)がある。

これは何故かわかりません。眠りが浅いのか、突然夜中に起きてきたりします。その後も中々寝付けないようです。正直、眠気の副作用よりもこちらの方が心配な状況です。

 

まとめ

色んな良い効果が沢山あったけど、反面、それなりの眠気と夜の中途覚醒という問題も出ています。ただやはりメリットとデメリットを天秤に掛けると、メリットが圧倒的優位な状況です。

まず家の中に平和が訪れます。

これはADHDの子供を持つ親にある程度共通して理解してもらえることだと思うのですが、子供が常時ハイテンションな状況で安らぎなんてありません。そういうのは子供が寝てる時だけです。しかし、その生活からはかなり解放されました。

そして精神的な成長を見ることができます。

言葉をよく聞く、受け入れる、理解する、これを子供ができるようになると、精神的な成長がとても早く感じられるようになりました。

とにかく息子自身が一生懸命成長しようとしていることが伝わってきます。変な言い方ですが、叱りがいがあります。成長の手応えを感じます。

でも結局は教育(療育)が重要です。

インチュニブで全部解決万々歳! とはいきません。そんなに都合のいい話はありません。子供は子供です。小学二年生が突然四年生と同じにはなりません。ADHDの多動性・衝動性に関しては少なくとも息子の場合には劇的な改善効果がありましたが、注意欠陥の部分を見るとまだやはり、ADHDだなと痛感することはあります。

全てを薬で解決することはできないので、そこは教育・療育で子供を成長させていく必要があることに、何も変わりは無いと思います。

あくまで薬は、それをサポートしてくれる存在です。