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病気や子育てについて書くつもりが、趣味の話が増えてしまった雑多ブログ。

K701 購入&レビュー

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今更ながらAKGのK701を購入しました。

けいおんがブームの頃に『澪ホン』と呼ばれたあれです。

もう語られ過ぎているぐらい語られた機種ですが、しかし前評判と実際に聴いてみるのとではまるで違いましたので、折角だから記事にしたいと思います。

 

とりあえず私の最初の印象としては、

高音寄りで低音が出ないとか、誰だよそんなこと言った人……。

です。

 

低音出てます。

最低限の低音とかじゃないです。本当にガッツリ鳴ってます。ベースもゴリゴリです。

最近急激に低音スキーじゃなくなっている私の感覚では、ちょっとイコライザで低音削ってやろうか、というぐらいに出ています。

 

外観とか

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AKG K701 外観



曲ごとのレビュー

This game / 鈴木このみ

個人的にヘッドホンの音チェックにはもう恒例の曲。サ行が刺さりやすく、ピアノもベースも電子音も色々混在しているのでヘッドホン・イヤホンの性能チェックにはもってこいの曲だと思います。

サ行の刺さりは殆ど無いです。刺さりそうな一歩手前で止まっている感じ。オーディオテクニカのWS1100だとしっかり刺さって、サウンドウォーリアのSW-HP20では刺さり気味の刺激的な印象でしたが、それに比べれば大分まろやかです。

しっかりベースラインが聴き取れ、ピアノは美しく鳴っています。

 

少女 / 村下孝蔵

K701に男性ボーカルは合わないという話がありますが……。何故そんな話が出たのだろうと疑問に思うぐらいに合います。まろやかでとろけそうな声です。

 

JADE / X JAPAN

ロック・メタルにも合わないとかいう話があったので。

だからさ、誰が……。

低音がしっかり出ているので、十分にいけます。ベースが後ろに行っちゃってるよ、なんてことはありません。

"あえて"合わないところを挙げるなら、ちょっと音が上品かな、という程度です。

荒々しさよりは綺麗寄りに描写している感じですが、少なくともXとかこの辺のメロディアス系であればむしろ好印象に働く可能性が高いかなと。

 

G線上のアリア / カラヤンベスト100より

普段多くは聴かないけれど、K701はクラシックに合うとされていたので。

とろけます。耳が幸せすぎて脳がとろとろになります。恐ろしいほどに上品。適度に繊細。

 
Santa Claus Is Coming to Town / ビル・エヴァンス

12月なので。

ジャズは合うというレビューのほうが多かったような気がします。やはり少し上品というか、他のヘッドホン、イヤホン、スピーカーで聴いているよりも雑味がない感じです。

私はクラシックで眠くなってしまいボーカル曲では歌詞に入れ込んでしまうので、ボーカルがないか少なめのジャズはよく作業用BGMとして流し続けているのですが、これはちょっと心地良くて眠っちゃいそうな感じです。

 

総評

全体的に音は丸めで、まろやかで上品な傾向があります。スタジオモニターとは反対の方向性ですね。しかしあくまで傾向、であって、行きすぎた感じはしません。

それでいて音を分析していくことも恐らく可能なのだろうと思えるほどの分解能も持ち合わせています。私は作曲なんてできないので解りませんが。実際に制作現場で使っているプロがいる以上、そういう用途でもいけるのでしょう。

 

低音から離れたくてK701を買ったのですが、これ以上低音が出たらそれは盛りすぎだ、と言い切れるところまで出ています。

ただし低音ホンではないので、盛ってるぐらいの低音がほしい、という場合にはK712辺りに行った方がいいと思います。

音場は広いものの、私はスピーカーを自作するような人間なので、まあ開放型ヘッドホンの音場だよね、という程度で収まっています。

 

解像度は現在の2万円前後ヘッドホンの中でもかなり優秀なレベル(私はサウンドハウスで購入したので、1万7000円強ぐらいでした。昔は平気で6万とかで売られていた機種なので、お買い得です)だと思いますが、K701は解像度よりも音の触り心地がとんでもなく良い、というところが強みだと思います。

特にボーカルは魅力を120%にしてお届けされちゃっている感じです。原音じゃないけれど、原音に風で揺れるような薄いシルクのベールを一枚被せた感じです。

なので、モニターヘッドホンをリスニングに使っちゃうぐらいモニターが好きな人には、ちょっと合わないかもしれません。

色んな曲を心地良く聴きたい、という方に合うと思います。

 

高域の抜けが良い、というレビューも、低音が出ない、と同じぐらい多く見かけましたが、私はヘッドホンで高音の抜けというものがどういう状態なのか解りません…。

スピーカーのツイーターでは何となく理解できるのですが、そういう感触をヘッドホンで持ったことはなく、それはK701でも同じでした。

物足りないなんてことは全然なくて、高い解像度や艶があるため、K701の中で最も美味しい部分は高域(中高域)だと思います。

 

ケーブルを途中でちょん切ってバランス化すると更に化けるそうですが、バランス駆動できるアンプを持ってないんですよね……。まあ内部配線が3極のK702じゃなくて4極のK701をあえて選んでいる時点で、いつかバランス駆動できるアンプを買うのは間違いないですが(笑)

 

とりあえず、スピーカーが鳴らせない時間にガッツリ聞き込みたい時や、作業用BGMには最適な感じです。聞き疲れはかなり少ない方です。

 

かなりのアンプ食いとのことで鳴らしきれるか不安でしたが、安物の中華真空管アンプでも十分に鳴らせています。さすがにこれ(3mのケーブル、小型スピーカーレベルの音漏れ)を携帯する奴はいないだろう、と思いますが、ポータブル環境じゃなければちょっとしたアンプを噛ませるだけで、そんなに問題ないかと思います。

 

写真に日付が入っていますが、本当にさっき届いて今レビュー書いてる感じなので、エージングなんか全くしていません。

エージングが進めばまた評価が変わるかもしれませんが、エージングしたら低音出たよ! とかいうレビューを見ると少し不安になります。