mohumohux

病気や子育てについて書くつもりが、趣味の話が増えてしまった雑多ブログ。

【長時間やらせすぎ】小学生のスポーツ育成問題

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小学二年生の息子がサッカー習い始めて、半年近くが経とうとしています。

最初は物凄く上手く見えた周囲の子供達と混じっても、本人のやる気さえ整っていれば決して見劣りしないレベルまで成長してくれました。

私が「攻撃よりまず守備」と教え込んでいるために、主に守備と走力で、ですが。

走れて守れて周囲の状況が見られる選手は信頼されますからね。

 

しかし今はこのサッカースクールを「やめさせよう」としています。

 

パスを認めないぐらいドリブル中心のチーム方針と合わないからとか、そういうことでは決してありません。上手いドリブラー相手に練習ができるのは子供にとって良い経験です。

ただ……練習時間があまりにも長すぎる!

そして息子が放った言葉は

「サッカーは好きだけど長い練習はもうしたくない!」

 

 

練習試合、1日で7時間以上。

土日に練習試合が組まれると、9時頃~17時頃まで。休憩は1時間取れるかどうかという長さで徹底的に対戦させられます。だいたい7時間で、移動がある場合にはこれにバス移動の時間も加わります。

当然メンバーの入れ替わりはあるものの、終わり頃になると全員怪我でもしたんじゃないかと言いたいぐらいボロボロに疲れています。天才的に上手い子も体格でどんどん押し込む子も、全ての子がまともに動けていません。相手チームもまともに動けていないので、凄い泥仕合になります。

というか昼前にはもう疲れています。そりゃ、昼までに3時間やってますから、疲れて当然。

このような練習試合が定期的に組まれます。

ちなみに練習試合なので、当然そこに参加する相手チームも同じ時間、練習試合を行っています。

各チームの指導者は「これが当然である」という前提に立っているようですが、本当にこの年齢でそこまで過酷なトレーニングをこなす必要があるのでしょうか。

 

練習試合で二つ先の県まで遠征

バス移動、往復で6時間です。

そんな時間があるなら近場で練習相手見つけてサッカーさせたほうがいいのでは……。

ちなみにもっと遠くから対戦相手が来たことがあります。朝の8時30分には到着していたので、どうやって!? と驚くばかりでした。何時に出発して、何時に帰るんだろう子供達は。5時出発か、それとも前日から合宿なのか。

 

大会も朝から晩まで

大会となると待機時間が多く練習試合ほど密度が濃くないので、まあ【大会】だし仕方ないか、という気分にはなりますが。(ただ、待機時間と言っても基本は練習です。チームによっては待機時間中ずっと走らせているチームもあり、完全に休ませているチームはそれほどありません)

大会とは言え土日に7~8時出発して帰宅が19~20時ぐらいだと、サッカー以外に何もできません。

それでもまあ、大会だから、と思えば「大会の日ぐらいは一日頑張ってこい」と思えるのかもしれませんが。

何せ先述の練習試合が定期的に組まれているので、親としては「また丸一日サッカー漬けか…」としか思わなくなってしまいました。

 

チームによっては練習時間が夜9時まで組まれることも

何件かのチームで見学・参加させて頂きましたが、驚くことに平日の練習が夜7時~9時の2時間というチームもありました。宿題、夕飯、お風呂……。学校からは9時には寝るように言われますが、どうしているのでしょうか?

まだ小学校低学年ですよ。

 

どう考えてもオーバーワーク

6~8歳の小学校低学年児にこれは、どう考えてもオーバーワークだと、実際に子供にやらせてみて私は感じました。

オーバーワークの基準は人それぞれで、私が書いた内容でも「全然大丈夫」「それぐらいやって当然」という基準を持つかたもいるでしょう。実際、未就学児でもこれぐらいの条件でサッカーをしていることがあります。

している、と表現するべきか、させられている、と表現すべきかはわかりませんが。

特に指導者となると、とにかく量と時間をサッカーに割り当てれば割り当てるほどサッカーが上手くなるという考えで精一杯詰め込む方は多いと思います。

しかし私の基準としては、練習効率が著しく落ちたらそれはもうオーバーワークです。

勉強だって、もうこれ以上やっても理解できない! となれば、休みますよね?

脳の疲労は甘いもので回復できるかもしれませんが、肉体疲労や精神疲労はそうはいきません。休養が必要なのに練習するのは間違いだと思います。

 

プロになる人の練習時間が増加するのは中学生以上から

主に海外での調査ですが、様々なスポーツでプロ選手になった(なっていく)人の練習時間を調べると、幼年期は人並みかむしろ少ないことが多く、思春期頃から急激に増加するそうです。

日本は努力を美化する国なので、例えば卓球などで3歳から猛特訓! とか、そういう話が大好きですよね。私も例外ではなく大好きです。

ですが大好きなそれを全スポーツに適用させるのは違うと思います。卓球とサッカーでは身体に与える負荷が全く違います。接触プレー、走行距離、ボールの重さ…。

卓球はどう見ても神経系の発達が重要なスポーツです。サッカーの数倍は繊細な感覚が試されるでしょう。早くに完成する神経系の発達に合わせて練習を行うことは理に適っているように思えますし、あとからフィジカル(身体的成長)が追いついてくるぐらいで丁度いいのかもしれません。卓球の球が重いという子供は3歳であってもいないでしょう。

しかしサッカーは、フィジカルが整わない間から猛練習をすれば、怪我を抱えるのは当然としか言えないような競技です。子供にとってのサッカーボールって、結構重いです。

その重いボールを軽く感じはじめるのが丁度、思春期(第二次成長期)の頃です。

 

人間の身体は消耗品

野球では割とこの考え方は定着しつつあります。特に投手の肩や肘は消耗品の代表格とされていますね。

これをサッカーに当てはめると、肩や肘は消耗品だけど膝や腰は違うのか、という話になります。

身体はどこも全て、消耗品に違いないんです。

その消費をいつどうやって行うか、いかに効率よく消費してピークを迎えるか。そういう部分には全く目が行っていないように感じます。

ボールが軽く感じるようになってからであれば、消耗は抑えられるでしょう。

 

脳の発達と練習量は比例させていくべき

これを読んでいるのがサッカー少年の親御さんだとして。

教えたいこと、山ほどありますよね?

  • 利き足のアウトサイドで抜けるようになれ。
  • 流れの中でのシュートは丁寧に打て。
  • ドリブルは早く仕掛けろ。
  • ボールを奪うよりボールホルダーの邪魔をしろ。

全部私が言っていることで、実際には10倍も20倍も言いたいことがありますが抑えています(笑)

なんでこんなに言いたいことがあるか。

それは子供より大人のほうが脳が発達して色々なことが理論・感覚で理解できるからです。

私は学生時代に野球部でしたが、今の知識を持って学生時代の野球がやり直せるなら別次元のプレーができたと断言できます。腰のヘルニアをやって辞めましたが、その怪我さえも防止できたかもしれません。

そういうものを子供にぶつけてしまうわけですよ。

その結果、素直な子供であれば言われたとおりに成長してくれるかもしれません。

でも、よく自分の子供時代を思い出してください。

親や指導者に言われたことと、自分で発見したこと、どちらのほうが夢中になれましたか?

私は断然後者です。

自分で発見できるまでヒントは与えても答えは与えず、自主的に練習量が増えるのを待つぐらいの気持ちでいるほうが、子供に可能性を与えられるのではないでしょうか。

日本の親や指導者は教えすぎだと言われますが、自分で発見する楽しみを親が奪うということは子供に対して申し訳ないことだと思います。

 

チーム練習と同じぐらい個人練習が大切。

私はチーム練習なんか週に2回、時間も2時間やれば十分だと思っています。

なのでうちはサボらせてばかりです。。。

サボって、学校の勉強をさせたり、公園へ遊びに行ったりしています。

不真面目、もしくはやる気のない親だと思われているかもしれません。

でも追いついてきてる。

息子はアスペルガーADHD二つの発達障害という、多分有利には働かないんじゃないかなあというものを背負っているけれど、息子より先にサッカーを始めた他の子達に間違いなく追いついてきている。

それは練習をしていないのではなくて、親子のコミュニケーションとして週に数回サッカーをしているからであり、そういう遊びのような個人練習を積み重ねないと、チームに預けているだけで上手くなれる子なんてほんの一握りですよ。

 

違うスポーツをやらせる時間も作る

サッカーだけじゃなくて、他のスポーツもさせましょう。

小さい頃に経験していないと、中学高校から種目を変えていきなり始めたスポーツで人より上手くなるのは困難です。今習い事としてサッカーをしている子供が将来もずっとサッカーをやりたがるとは限りません。そういう時に複数のスポーツを経験していることで様々な身体の使い方を覚えていると、応用が利きやすくなります。

実際、小学校でサッカーをして評価が高かった子でも、中学高校とそのままサッカーを続けている子はそんなに多くないです。

サッカーだけじゃなくて、テニスや野球、バドミントンに卓球など。色んなスポーツを経験させましょう。

その中から子供が自主的にどれかを選ぶかもしれないし、全く違うものを選ぶかもしれないし、もしかしたらスポーツやもういいやと言って何も選ばないかもしれない。

親は、子供が何を選んでも後悔がない程度に学びと体験の機会を与えておけばいいと思います。

幼少期に色んなスポーツを経験したというプロ選手は山のようにいます。プロを目指すとしても色んなスポーツを経験するということは無駄にはならないでしょう。

 

子供の本分は遊びと勉強

以前にも書きましたが、子供の本分は遊びと勉強です。その一部がサッカーであり、サッカーが全てとはならないのです。

ましてやサッカーをするために子供がいるわけではなくて、子供が遊ぶためにサッカーがあるんです。

この順序が逆転してしまっている親御さん(と指導者)が凄く多いように感じます。

「休んじゃだめ」「自分でやると言ったんだから最後までやりなさい」…。

子供ってそんなに責任を負う立場でしたっけ?

私は息子の練習をできるだけ見るようにしているのですが、一生懸命休まずに連れてこられているお子さんの中に少なからず、毎回やる気を失っている子がいます。

やる気がなくても責任を持ってちゃんとやれ! というのは極めて日本人らしいと思いますが、子供にその理屈は通用しないでしょう。

やる気がないということは楽しくないということであり、遊びでも学びでもなくなってしまったということだと私は思います。

だって遊びとか学びって楽しいですから。

私は息子がサッカーを楽しめているうちにやめさせて、またサッカーに飢えるようになったら違うスクールへ入れようかと考えています。

子供に我が儘をさせていると思われるかもしれませんが、私としては無理にサッカーに行かせてこっちまでイライラするよりも、家にいてくれたほうがスクール代もかからないし、その時間とお金があれば別のスポーツも経験させられるしと、良いことだらけです。

息子は「テニスやってみたい!」とウキウキです。

まだ検討中ですが、私もテニスはほとんど未経験なので、この機会に一緒に覚えようかと企んでいます。