mohumohux

病気や子育てについて書くつもりが、趣味の話が増えてしまった雑多ブログ。

【TFZ】T2 GALAXYはSERIES2を超えたか?【レビュー】 ※KING2もちょっとだけ

 

Massdropで注文していたTFZの【T2 GALAXY】が先日到着しました。

Twitter上では同社のSERIES2を超える完成度と評価する声が多かったため、初めから非常に『期待値が高い状態』で聴くことになったわけですが、しっかりその期待に応えてくれる出来でした。

今回写真少ないです。

 

外観

金×紫と青を購入しました。

まず金×紫の配色は写真より実物のほうが落ち着いていて高級さを感じます。特に金属プレートに触れると思わず「5000円で買ったんだよな……?」と再確認したくなるほどで、TFZの高いビルドクオリティを遺憾なく発揮しています。

青は個人的なプレゼント用なので開封写真がありませんが、箱に収まっている状態で見た感じでは決して劣らない印象です。

タイトル画像はまだ保護シールが貼られている状態で、剥がすと下のようになります。

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シャアが好きそうだ……。

 

音質

主にSERIES2との比較となります。

高域

非常に繊細で、特にノビの良さは特筆ものです。この点、SERIES2は伸びきる前にピークに触れかけていた(やや尖っていた)印象があるのですが、T2 GALAXYはスムーズに最後まで伸びきる印象です。

例えばKZのBAはここで尖らせることで刺激や解像度を作りだしているわけですが(意図的かは別として)、SERIES2も少々この傾向があり、良くも悪くもDD一発とは思えない刺激がありました。

比べるとT2 GALAXYはよりDD一発らしさが出て自然な音になっていると感じます。

 

中域

カマボコ型ではないのですが、弦楽器の抑揚表現もしっかりしていて、ボーカルは近く明瞭です。

分離も良く、音場もそれなりに広いため、この価格帯にありがちなごちゃごちゃ感はありません。

SERIES2はこの帯域に関して少しだけ線が細い印象があったのですが、T2 GALAXYでは下の厚みをしっかり出すことで『よりリアリティのある音』になっています。

声の響きが出ているため女性ボーカルにも迫る力感があり、当然男性ボーカルもバッチリです。

しかし線の細い女性ボーカルが好きというかたも多くいるので、そういう場合はSERIES2かもしれません。

 

低域

それほど出張るわけではなく、音楽を楽しく聴くに適した量だと感じます。

私はスピーカーも作っているので、そこで目指すf特(周波数特性)のフラット、例えばヘッドホンのAKG K701やK702のような音に比べれば強めです。

K712的な、音楽を楽しむ方向に『適度に強調した』印象でしょうか。

しかし中高域に被さる感じは全くありません。

非常に低いところまでしっかり出ていて、中高域がスムーズに繋がることで倍音が綺麗に出ているのか響きや解像度が素晴らしい。バンド曲のバスドラムやベースは弾(はじ)けるように勢いがあり、オーケストラではホールのような轟きを感じます。

低域の質に関しては、SERIES2に比べて『好みではなく、T2 GALAXYのほうが高性能』と言えます。

一方で量はT2 GALAXYが少しだけ増えているので、好みの問題だと思われます。

 

音場、分離、解像度

音場は必要十分で過不足がない程度に収まります。

しかし分離と解像が非常に良いため、本格的な大編成オーケストラは難しいものの、そうでないなら大抵の曲で満足できるレベルでしょう。

この点もSERIES2からの進化を感じます。

 

で、結局SERIES2と比べてどうなのよ?

ビルドクオリティ、伸びやかな高域、リアリティのある中域、より高いレベルに昇華した低域の質、全体の解像度と分離。これらはT2 GALAXYのほうが上です。

一方で、カラーバリエーション、刺さるか刺さらないか絶妙な高域、やや線が細く軽い元気な中域、わかりやすい解像と分離『感』、T2 GALAXYより少しだけ控えめの低域。こう言った点はSERIES2の特徴としてT2 GALAXYと差別化できます。

どちらかオススメを選べと言われたら

  • ちょっと音が軽くても元気の良い音が好きならSERIES2
  • そうじゃなかったら全員T2 GALAXY

という感じかなと。

両方とも「これで5000円とか貨幣価値を殺す気なの?」と言いたいレベルのクオリティですから、気になる方はどちらも安心して買ってOKだと思います。

 

最後に、KING2の簡易レビューを置いていきます。

実は8月からKING2が手元にあるのですが……。

音に関してはSERIES2に二割程度QUEENの成分を加えたような印象で、少し低域に厚みが増しています。

確かにドライバ世代の違いからSERIES2より高性能ではあるものの、あくまで好みの差に収まる範疇だと感じました。

じゃあT2 GALAXYでよくない? というのが正直な感想。

 

KING2のコスパも中華イヤホンという前提を置いてもそこそこに高いものと感じますが、音の格としてはT2 GALAXYと横並びに感じます。

そのため、あくまで個人的な感想ですが、『妖怪コスパのSERIES2とT2 GALAXYがあるのに、わざわざKING2を買う必要はないんじゃないかな』と。

両機を所有した上で更なるバリエーションとして買うのはありだと思いますし、比較した結果KING2が一番好みということももちろんあると思います。

しかしSERIES2とT2 GALAXYに匹敵するコスパを求めるのは難しいでしょう。両機のコスパはKING PROをKING2の価格で買うようなもので、ちょっと異常です。

逆に言えば、SERIES2――というかT2 GALAXYがなければ「これ良いよ!」となったかもしれません。T2 GALAXYで感じたDDドライバの世代差による性能向上はKING2でも感じるものでしたから。

 

否定的な感想を持つイヤホンについてわざわざレビューを書くことはあまりないのですが、KING2はどちらかというと肯定だけれど難しいポジションに置かれてしまったなあ……という感じでレビューを悩んでいました。

結果、良いイヤホンなのに「これ良いよ!」と記事化してオススメし辛いということで、ここに書いて落ち着くことに。

わざわざ書くべきか控えるべきか悩みながらの、中途半端なKING2レビューになって申し訳ないです。