2016年買ってよかったもの(2-1) ヘッドホン
私は元々、自他共に認めるほどのオーディオ好きでして。
同じ音源でも音響機器を変えるだけで全く違う音楽表現(再現)となるため
オーディオ機器を買うという行為は
全ての音源をもう一度聞きなおす最高の機会になり得るわけです。
そこで新たな魅力を発見することが楽しくて楽しくて。
しかし本格的に鬱に入ってからは中々興味が湧かなくて
ヘッドホンは気付けば8年前に購入したものを最後に全く手を出さず。
15年ほど前に購入した『audio-technica AD7』とそれの二台でやり過ごしてきました。
まあその15年の間にイヤホンは3種類買ってますけれど。
イヤホンだとね、寝ながら聴けるんですよ。
鬱にはイヤホンのほうがいいかもです。
ちゃんと起きられたほうがもっといいですけど。
しかし、夏ごろに手持ちのヘッドホンが二台とも破損(´・ω・`)
妻曰く
「イヤホンは遠目だと付けてるかわからない。聞こえてない人に向かって私一人で喋ってる事があるからやめてほしい」
と言われまして。
想像すると切ない……。
何だかんだ何があったか忘れましたが、結局ヘッドホンを買うことに。
予算内で候補に挙がったのは
・audio-technica / M50x
・Sony / MDR-1A
・audio-technica / MSR7
・audio-technica / WS1100
・Panasonic / RP-HD10
オーテクが多い…。
M50xのみ試聴が叶いませんでしたが、
他の4機種は近所の家電店等で試聴できました。
「視聴したい」と言ったら静かな環境に移動させてくれたお兄さんの心がイケメン過ぎて惚れそう。
私の要望としては。
1、できるだけ密閉型がいいけれど、別に開放型でも構わない。
2、解像度は高いほうがいい。
3、低音はできれば多めに欲しい。解像度より優先はしない。
4、装着感大事。(健康なワーカホリック?だった頃)作業に没頭すると10時間とか付けっぱなしのことがあったので。
視聴する曲は完全に好みで……というか
買ったらこの辺りを聞くであろうジャンルから
Born to be free / X JAPAN(ドラムの分離)
This game / 鈴木このみ(サ行の刺さり、女性ボーカルの表現)
ゆうこ / 村下孝蔵(男性ボーカルの表現)
海の見える街(魔女の宅急便) / GHIBLI meet JAZZ(作業用BGMが心地良いか)
の4曲をスマホ直差しで再生。
※単なる好みなので、突っ込みどころがあっても全て忘れてください。
※感想は主観です。
・Sony / MDR-1A
高音域 ★★★★
中音域 ★★★
低音域 ★★★★
〇 密閉型で低音が多い。暖色系。高音域の解像感自体は高い。装着感も良い。サ行の刺さりはそれほどない。ボーカルものは全体的に聴かせるのが上手い。ジブリのJAZZも上手く鳴らす。アンプやリケーブル次第で化けそうな気配がする。
× 低音が緩めかつ多すぎて、中・高音域にかぶさる。そのせいでよく聴かないと解像感が劣る印象を受け、折角の性能が埋もれている。味付けが強いため、悪く言えば「生々しく演出されている感」がある。音場はそれなりに広いのに、のっぺりとして奥行きを感じない。
・audio-technica / MSR7
高音域 ★★★★★
中音域 ★★★★
低音域 ★★★★
〇 密閉型で分離・解像感が明らかに高い。一つ上の価格帯だと言われても十分納得できる。モニター調で低音は適度かつ引き締まっていて、ベースラインも細かな部分まで聴き取れる。X JAPANは他の3機種で聴こえなかった音、分離せず団子になった音もきっちり描き分けた。
× サ行が刺さる。ドラムのシンバルも若干刺さる。やや神経質。MDR-1AやWS1100に比べると低音域が少なく迫力はない。装着感はピタリとしていて最初は良いが、徐々に耳への側圧が強く感じるようになり、最終的には顔骨格が矯正されそうな万力と化す。お前は俺に恨みでもあるのかと言いたいレベル。(自分の頭が大きいことは棚に上げてます)
・audio-technica / WS1100
高音域 ★★★★
中音域 ★★★
低音域 ★★★★★
〇 低音が強調されつつ、見晴らしが非常に良い。解像感はMSR7に一歩譲るが、それでも高い。SOLID BASSシリーズの中では革新的な出来。むしろSolidという表現で売るならWS1100の感覚が一番妥当なのかも。装着感はMDR-1Aほどではないが良い。一番特殊なシリーズなのに、特に致命的な欠点がない。JAZZを一番気持ちよく鳴らせた。
× 密閉型だけど開放型と同等の音漏れ。いやこれは開放型。女性ボーカルがやや遠い。男性ボーカルはもっと遠い。サ行はやや刺さる。オーケストラに弱いらしい。
・Panasonic / RP-HD10
高音域 ★★★★
中音域 ★★★
低音域 ★★★
〇 音の分離、解像感が凄い。低域が締まっている。実売価格が一番安い。一番特徴的な音で面白い。何故か妙な余力を感じる。
× 音色が不自然に感じる。「分離したのはいいけど、散らかしっぱなし」というか何と言うか。低・中音域が薄く、音色との相性も含めてロック・メタル系、JAZZには合わないかも。アンプやリケーブルでどうにかしない限り、音源を選ぶ。
大体こんな感じでした。
(全て個人的な印象なので、これを読んで気を悪くした方がいたらすみません)
正直、音だけなら迷わずMSR7一択。
音のまとまり、分離、解像、定位、低中高のバランス、音場、全て高いレベルで、完成度は抜けていると思います。
ただあの装着感が……。あれさえなければ……。
MDR-A1は一番装着感が良いけれど、のっぺりした感じが受け入れられず。
RP-HD10の不自然さは×に書きましたが、アンプと組み合わせたら一番鳴りそうな気配がして魅力的でもあり、でも一台目にするにはちょっと万能じゃないかな。
WS1100はどちらも中間で、実質開放型という点を除けば問題なし。
店内BGMが多少聞こえる程度の場所で視聴させてくれた店員のお兄さん、本当にありがとう。
その後数日悩んだ末に、WS1100を買いました。ネットで。
家電屋のお兄さん……今度何か買うから今回は勘弁してつかあさい。